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第四十五話 謎の美男子編
御徒町樹里はありがたい経典を授かるために西を目指しています。
樹里達は鎮まった火焔山を越え、次なる国に入りました。
そこには、今まで出会った人達とは全く違う容貌の人達が歩いています。
「わあお」
豚の妖怪の亜梨沙が叫びます。河童の蘭も思わずお粧ししてしまいます。
「何、この町? いい男だらけじゃん」
亜梨沙は涎を垂らしながら周囲を見渡します。
「そうなんですか」
樹里は相変わらず笑顔全開です。
「お師匠様ってどんな男の人が好みなんですか?」
亜梨沙が尋ねます。石猿の孫左京がドキッとします。
「優しい人です」
樹里が答えました。
「お師匠様、そつがなさ過ぎです」
亜梨沙はつまらなそうです。左京はホッとしています。
「蘭はどんな男の人が好み?」
馬の馨がギクッとします。蘭は、
「私は野性的な男が好き。強引に迫るのも好みね」
馬の馨は呼吸困難に陥っています。
「お嬢さん方、お茶しない?」
不意に現れた美男子が亜梨沙と蘭に声をかけました。