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第四百十一話 樹里、賽太歳と話す編

 御徒町樹里はありがたい経典を授かるために西を目指しています。


 樹里は、賽太歳さいたいさいに捕まりました。


「お前を食ってやる」


 賽太歳が言います。


「そうなんですか」


 樹里は笑顔です。


「何故怖がらないのだ?」


 賽太歳がムッとします。


「怖がった方がいいですか?」


 樹里が笑顔で尋ねます。


「無理に怖がられても嬉しくない!」


 賽太歳は怒りました。


「そうなんですか」


 樹里は笑顔全開です。


「ところで前夜祭さん」


「儂は賽太歳だ!」


 賽太歳が切れます。


「そうなんですか」


 樹里は笑顔のままです。


「どうして私を食べたいのですか?」


「美味そうだからだ」


 賽太歳は舌なめずりします。


「不味いかも知れませんよ」


 樹里が言います。


「食ってみてのお楽しみだ」


 賽太歳は大きな口を開けます。


「口内炎がありますね」


 樹里が口の中を覗いて言います。


「余計なお世話だ!」


 賽太歳は更に切れます。


「私を食べると口内炎にしみますよ」


「え?」


 ギクッとする賽太歳です。

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