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御徒町樹里の西遊記(四百文字小説)  作者: 神村 律子
霊感大王は怒りんぼ?
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第四百二話 樹里対霊感大王その弐編

 御徒町樹里はありがたい経典を授かるために西を目指しています。


 霊感大王は樹里を見ます。


「行くぞ、坊主」


「そうなんですか」


 樹里は笑顔全開です。


「オンマケイシバラヤソワカ」


 破壊神と呼ばれている大自在天の真言です。


 大黒天真言より遥かに威力があります。


「オンアボキャベイロシャノウマカボダラマニハンドマジンバラハラバリタヤウン」


 樹里は印を次々に結んで行き、真言を唱えます。


「何!?」

 

 霊感大王は慌てました。


「それを使いこなすとは!」


 霊感大王の真言は樹里の真言にかき消されました。


「今のは……」


 蘭と鷺侘と鷺基が驚いています。


 亜梨沙はドサクサに紛れて露津狗に抱きつきます。


 遊魔はボーっとしています。


 璃里は知っていたのか、頷いています。


「参りました」


 霊感大王は土下座しました。


「そうなんですか」


 樹里は笑顔全開で応じます。


「光明真言は究極の真言。我も修行の折、会得したいと思いましたができませんでした」


 大王は言いました。  

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