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第三百八十二話 黄風大王驚く編

 御徒町樹里はありがたい経典を授かるために西を目指しています。


 黄風大王こうふうだいおうは樹里が女の子だと知り、唖然としています。


「袈裟も脱いだ方がいいですか?」


 樹里が笑顔全開で尋ねます。大王はハッとして樹里を地面に下ろし、


「と、とんでもない! 失礼しました!」


と土下座します。


「危なかった。女の人を食ったりしたら、母上に半殺しにされる」


 大王はホッとしながら言いました。


「そうなんですか」


 樹里は笑顔全開で応じます。


「命を生み出す女性を大切にしなさいと、子供の頃から言われております」


 大王は苦笑いしながら言います。


「そうなんですか」


 樹里はまだ笑顔全開です。


「では、私の妻にしますのでよろしくお願いします」


 大王はそう言うと、いきなり服を脱ぎ始めます。


「さあ、元気な子を作りましょう!」


 鼻息荒く、やる気満々の大王です。


 樹里は別の意味でピンチになりました。


「待てこら!」


 そこへようやく孫左京達がやって来ました。

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