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第三十八話 牛魔王味方になる編
御徒町樹里はありがたい経典を授かるために西を目指しています。
牛魔王は樹里の可愛さにやられた第二号として降参しました。
左京は事情を説明し、協力を求めます。
「無理だ。あいつに言う事を聞かせるのは不可能だ」
鉄扇公主の事になると、途端に弱気な牛魔王です。
「そうなんですか」
樹里は笑顔で言います。すると牛魔王は、
「貴女のために公主を説得します」
と跪きました。
「エロ魔王だな」
「うるさい、お前にだけは言われたくない!」
醜い罵り合いです。
そして樹里と左京は牛魔王とその手下数千を従え、芭蕉洞に向かいます。
「牛魔王様が攻めて来ます!」
公主の手下が慌てふためいて報告しました。
「そのような事があるものか! あの腰抜けにそんな勇気があるはずがない」
「あの旅の僧が女で、牛魔王様はその色香に迷ったようです」
「何!?」
公主は餅つきを始めそうなほど激怒しました。
「左京め、許さぬ!」
公主は芭蕉扇を取り出すと外へと飛び出しました。