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御徒町樹里の西遊記(四百文字小説)  作者: 神村 律子
毎度お馴染みの芭蕉扇
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第三十八話 牛魔王味方になる編

 御徒町樹里はありがたい経典を授かるために西を目指しています。


 牛魔王は樹里の可愛さにやられた第二号として降参しました。


 左京は事情を説明し、協力を求めます。


「無理だ。あいつに言う事を聞かせるのは不可能だ」


 鉄扇公主の事になると、途端に弱気な牛魔王です。


「そうなんですか」


 樹里は笑顔で言います。すると牛魔王は、


「貴女のために公主を説得します」


と跪きました。


「エロ魔王だな」


「うるさい、お前にだけは言われたくない!」


 醜い罵り合いです。


 


 そして樹里と左京は牛魔王とその手下数千を従え、芭蕉洞に向かいます。


「牛魔王様が攻めて来ます!」


 公主の手下が慌てふためいて報告しました。


「そのような事があるものか! あの腰抜けにそんな勇気があるはずがない」


「あの旅の僧が女で、牛魔王様はその色香に迷ったようです」


「何!?」


 公主は餅つきを始めそうなほど激怒しました。


「左京め、許さぬ!」


 公主は芭蕉扇を取り出すと外へと飛び出しました。

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