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第三百七十話 第六天魔王の焦り編
御徒町樹里はありがたい経典を授かるために西を目指しています。
俯炎驪琉の霊が乗り移った露津狗は今までにない強さを見せました。
「ぐあっ!」
露津狗の牙が第六天魔王の喉を食いちぎります。
「ぬあ!」
その魔王は断末魔と共に消滅しました。
「うおっ!」
部秘模洲も第六天魔王を踏み潰します。
「おのれ……」
第六天魔王は分身をやめ、一人に戻ります。
明らかに魔王は焦っていました。
「よりによって、何故うぬらが……」
部秘模洲も俯炎驪琉も、自分達の側の者だと思っていた魔王には彼等の行動が理解できないのです。
「おらあっ!」
隙を突く事にかけては天才的な孫左京が殴りかかります。
「うおっ!」
魔王は辛うじてそれをかわしました。
「逃がさねえぞ、化け物め」
左京が怒鳴りました。
「我を怒らせたな。どうなっても知らぬぞ」
魔王の目が怒りで血走ります。
「それがどうした?」
魔王の背後に霊媚阿壇が現れました。




