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御徒町樹里の西遊記(四百文字小説)  作者: 神村 律子
毎度お馴染みの芭蕉扇
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第三十四話 樹里、鉄扇公主と会う編

 御徒町樹里はありがたい経典を授かるために西を目指しています。


 火焔山の溶岩を止めるために樹里と石猿の孫左京は鉄扇公主のいる芭蕉洞に向かっています。


 左京は天にも昇る気持ちです。


 彼は馬に変身し、樹里を乗せています。


(お師匠様の太腿が……)


 もはや変態話なので割愛します。




 ほどなく芭蕉洞の入口が見えて来ました。


「何者ぞ!?」


 忍者のような姿の女達が刀を抜いて樹里に迫ります。


「お師匠様、降りて下さい。俺が片づけます」


 左京が言いますが、樹里は、


「私達は争うために来たのではありません」


「おお!」


 樹里のまともな言葉が最近増えている事に左京は感動します。


「私は旅の僧です。鉄扇公主殿はおられますか?」


 女達は顔を見合わせます。


「私が鉄扇公主だ。何の用だ?」


 鉄扇公主が登場です。


「お猿さんはそのままで」


 樹里に耳元で囁かれた左京は恍惚とします。


「私は御徒町樹里です。お願いがあって参りました」


 樹里は左京から降りて言いました。

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