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第三百二十一話 孫左京、阿修羅を倒す編
御徒町樹里はありがたい経典を授かるために西を目指しています。
孫左京は樹里の事をバカにした阿修羅を蛸殴りです。
「ぶべべ……」
阿修羅は三つの顔を腫らし、口から血と涎の入り交じったものを吐き出します。
「お師匠様を悪く言う奴はこの孫左京が絶対に許さねえ!」
阿修羅は倒れていますが左京は殴り続けます。
「おらおら!」
そこへ観音様が現れました。
「やめよ、孫左京。阿修羅は気を失っておる」
ようやく左京は収まりました。
「お前の師匠を思う気持ちはわかるが、無抵抗の者を殴り続けるのはいかん」
観音様は微笑んで言います。左京は如意棒を耳の中にしまい、
「その化け物が悪いんだよ」
「いい加減にせんか!」
観音様が怒鳴ります。左京はギョッとして観音様を見ました。
「阿修羅も元は天界の者だ。ほんの些細な心の隙につけ込まれ、第六天魔王の味方になってしまった。許しておやり。阿修羅は私が預かるから」
観音様は阿修羅を連れて天界に帰りました。




