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第二百九十九話 六耳獼猴現る編

 御徒町樹里はありがたい経典を授かるために西を目指しています。


 孫左京達は互いを労い、一時の休息をします。


「四天王、全滅してんのう、なんちゃって」


 亜梨沙の寒いギャグが場を白けさせます。


 樹里はまだ寝ています。リックがちょっかいを出そうとして、遊魔、左京、蘭に蹴飛ばされます。


 露津狗は肩を寄せ合って休む鷺侘と鷺基を見ています。


「まだ未練があるの?」


 亜梨沙が声をかけました。露津狗は、


「何の事だ?」


と惚けました。亜梨沙はニコッとして、


「無理しちゃって。妥協して、私と付き合ってみない?」


「お前は猿が好きなのではないのか?」


 亜梨沙はギョッとしましたが、


「諦めたのよ。あいつ、お師匠様しか見えてないし」


「振られた者同士か」


 露津狗が呟くと、


「やっぱり未練あるんでしょ?」


「知らん!」


 露津狗は赤面して言いました。


 その時でした。


「貴様ら、よくもやってくれたな! 生かしては帰さんぞ!」


 六耳獼猴ろくじびこうが現れました。

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