293/1000
第二百九十三話 露津狗の奇襲編
御徒町樹里はありがたい経典を授かるために西を目指しています。
孫左京は樹里がグッタリしている事に気づきました。
「お師匠様!」
樹里は意識が朦朧としているようです。
「お師匠様!」
左京はその場を離れました。
「時の術を使ったな?」
闇羅曼諭が憎らしそうに言います。
闇羅曼諭は凶悪な顔になりました。
「時の術は連続して使う事はできぬ。亜磁堕覇阿禍よ、その裏切り者共を焼き尽くせ!」
鷺侘と鷺基は互いを庇うように抱き合います。
「何かムカつく、あの美男美女カップル」
亜梨沙が言いました。
亜磁堕覇阿禍が二人目がけて口を大きく開いた時でした。
「だああっ!」
いきなり土の下から狼男の露津狗が飛び出して来て、闇羅曼諭の喉に噛みつきました。
「ぐああっ!」
闇羅曼諭はそのまま倒れ、もがきますが、露津狗は離れません。
露津狗はずっと土の中に潜んでいたようです。
決して作者が忘れていた訳ではありません(忘れていました 作者)。