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第二百九十一話 孫左京と樹里、危機一髪編

 御徒町樹里はありがたい経典を授かるために西を目指しています。


 鷺侘と鷺基は孫左京を援護するために飛翔しました。


「てめえら、手出しするな! こんな龍一匹、俺一人で十分だ」


 左京は鷺侘達を睨みました。


「お前はそいつを怒らせただけだ。さっきより強くなっているのはわかるだろう?」


 鷺基が言います。図星なので左京は黙ってしまいました。


「左京はイケメンが嫌いだからね」


 馨の背中で亜梨沙が言います。


「何を内輪で揉めているのだ? お前らは阿呆か?」


 闇羅曼諭あんらまんゆが言い放ちます。そして、


「殺せ!」


 亜磁堕覇阿禍(あじだはあか)が咆哮を上げ、三つの口が火を吐きます。


「うわ!」


 馨が慌てて逃げます。


「こら、龍、逃げるな! 水で援護しろ!」


 蘭が馨を殴ります。


「そんなあ」


 馨は泣きそうです。


「このヤロウ!」


 左京が如意棒で真ん中の首を攻撃します。


「がああ!」


 右の首が火を吐き、左京を攻撃します。


 左京はその火を何とかかわしました。

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