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第二百七十九話 蝗の大群編
御徒町樹里はありがたい経典を授かるために西を目指しています。
羽厨逗は蝗の大群を呼び寄せました。
「また虫? ねえ、イケメンさん、食べて」
亜梨沙がドサクサに紛れて鷺基にすり寄ります。
「鷺基はもう蛙ではないのよ!」
鷺侘が亜梨沙を押し返します。
「何よ、役立たず!」
亜梨沙が逆ギレします。
「あんたに言われたくない!」
鷺侘も切れます。
「仲間割れしている場合ではないですよ」
馨が仲裁します。
「その通りだ。でも、いずれにしても手遅れだ」
羽厨逗が愉快そうに言います。
樹里達に蝗が迫ります。
「かああ!」
蘭がありったけの粘液を飛ばし、大きな幕を張りました。
蝗はそれに引っかかり、動けなくなります。
「もうダメ……」
蘭は倒れてしまいました。
「惜しい人を亡くしたわ」
亜梨沙が勝手に蘭を埋めようとします。
「ふざけるな!」
蘭はフラフラになりながら怒りました。
「小癪な真似を!」
羽厨逗は地団駄を踏みました。