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第二百七十五話 羽厨逗の攻撃編
御徒町樹里はありがたい経典を授かるために西を目指しています。
三番目の四天王が現れました。
中年親父風で、口が臭そうです。
「誰が歯槽膿漏だ!」
地の文に突っ込む怒りんぼのようです。
「何だか見るからに弱そうだな」
孫左京が言いました。すると羽厨逗は怒って、
「許さんぞ! こうしてやる!」
と背中を向けると、いきなり土を掘り始めました。
「うわ!」
一番前にいた左京は土だらけです。
「ふざけるな!」
左京が怒鳴ると、羽厨逗は消えていました。
「何?」
周囲を見回しましたが、どこにもいません。
「え?」
突然地面が揺れ、大穴が開きました。
「わあ!」
樹里達は穴の中に落ちてしまいます。
「ええい!」
左京はきんと雲で、鷺侘と鷺基は飛行靴で穴から脱出しましたが、
「出さないよ」
羽厨逗の声がして、上から土が覆い被さりました。
「くそ!」
左京は真っ暗闇の天井を如意棒で突きますが手応えがありません。
「お前達はここで死ぬのだ」
羽厨逗が言いました。