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第二百六十九話 孫左京、蠅に食われる?編

 御徒町樹里はありがたい経典を授かるために西を目指しています。


 孫左京は蠅の女王である部琉是武舞べるぜぶぶが変化した蠅の大群に取りつかれました。


「うおお!」


 左京は呼吸もできないようです。


「そのまま、我が糧となれ、猿」


 部琉是武舞の声が言いました。


「左京!」


 蘭が叫びます。


「左京ゥ」


 亜梨沙が汚いものを見る目で言います。


「お猿さん」


 樹里が言いました。その途端、


「はい、お師匠様!」


 左京は如意棒を振り回し、まとわりつく蠅を一掃します。


「何なのよ、あれ……」


 蘭と亜梨沙はムッとします。そして互いを睨みます。


「猿め、まだそんな力が残っていたのか。ならば、我が子を皆呼び戻すぞ」


 部琉是武舞は、リック達を追いかけていた蠅の一団も呼び戻します。


「猿を食い尽くせ!」


 黒い塊が左京に襲いかかります。


「そして、私も!」


 部琉是武舞も蠅に変化し、左京に向かいました。


「げっ!」


 先程の何倍もの蠅を見て、左京はさすがにビビりました。

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