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第二百五十七話 女神の怒り編
御徒町樹里はありがたい経典を授かるために西を目指しています。
孫左京と露津狗は宮部麗の逆鱗に触れてしまいました。
「死ぬまで舞うんだよ」
宮部麗が炎の鞭を振るいます。台詞がまるで金竜飛です。
「く!」
左京と露津狗は鞭の攻撃を受けて後退します。
「まだだ!」
鞭の数がねずみ算式に増えます。
「ぐう!」
さすがの左京も耐え切れません。露津狗も膝を折りそうです。
その時でした。
「オンメイギャシャニエイソワカ」
八大龍王真言が聞こえ、洪水が左京と露津狗と宮部麗を押し流します。
「うへえ!」
樹里達が追いついたのです。
「お師匠様、酷いです……」
左京は嬉し泣きをしながら言います。
「そうなんですか」
樹里は笑顔全開です。
「貴様か、わらわより美しい女と言うのは?」
宮部麗が宙に浮き上がって言いました。
「我が名は宮部麗。美の女神だ」
「亜梨沙さんのお姉さんですか?」
樹里が尋ねます。
「その宮部じゃねえ!」
宮部麗は切れました。