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第二百五十四話 鷺侘の恋人編

 御徒町樹里はありがたい経典を授かるために西を目指しています。


 樹里は偽芭蕉扇で吸血鬼の伯爵を倒しました。


 これさえあればほぼ無敵なので、樹里は一人でも大丈夫だと思います。


「何て事言うのよ!」


 亜梨沙が地の文に突っ込みます。


「誰が教えるか」


 伯爵は強がります。すると樹里が笑顔全開で、


「もう一度飛びますか?」


 伯爵はギクッとしました。


「わ、わかった、言うよ。鷺侘の恋人は猪喪嵐魔ちょもらんまにいる」


「何ですって!」


 伯爵を締め上げる鷺侘の手に力が入ります。


「ぐええ……」


「鷺侘さん」


 樹里が止めます。そして、


「オンカカカビサンマエイソワカ」


と地蔵真言を唱え、伯爵を浄化しました。


「ひょえ!」


 伯爵は霧となって消えました。


「猪喪嵐魔って、あの世界最高峰の?」


 蘭が言います。鷺侘は、


「ええ」


 彼女は樹里を見ました。


「鷺侘さんはそちらへ。私達はお猿さん達を追います」


「ありがとうございます」


 鷺侘達は猪喪嵐魔に向かいました。

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