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第二百四十七話 崑崙山へ編
御徒町樹里はありがたい経典を授かるために西を目指しています。
樹里達は狼男の露津狗と、鷺侘率いる薔鏤鬼吏達を伴い、第六天魔王のいる山に向かっています。
「その山の名は、崑崙。世界で一番険しい山々がある所です」
先導をする鷺侘が説明します。
「そうなんですか」
樹里が笑顔全開で応じます。
「そこには数多くの魔物がおります。無事辿り着けるかどうか……」
鷺侘は弱気です。
「辿り着けるさ。何せ、この俺様がいるんだからな」
孫左京が胸を張って言います。
「俺は何があっても辿り着く」
露津狗が呟きます。それを心配そうに亜梨沙が見ています。
「お師匠様、いいのですか? ありがたい経典を授かるのが我らの役目ですよ」
馨は、怖いからか、そんな事を言い出します。
「だったらあんただけ帰りなさいよ、ヘボ馬」
蘭が罵ります。
「い、行きますよ、私は!」
蘭にそう言われて、馨は燃えました。
「行くぞ!」
左京がきんと雲で先発します。