216/1000
第二百十六話 亜梨沙、イケメンに付き添う編
御徒町樹里はありがたい経典を授かるために西を目指しています。
樹里達は宿屋に到着しました。
「こいつ、撃たれてるぞ。弾は残ってないがな」
孫左京がイケメンを馨から降ろしながら言います。
「ええ?」
亜梨沙が仰天し、左京を突き飛ばしてイケメンを看ます。
「ホントだ。可哀想に」
その時蘭はイケメンを撃った銃弾が銀の弾丸なのに気づきました。
「こいつ……」
イケメンは部屋に運ばれ、亜梨沙が付き添いました。
「亜梨沙、私も付き添うよ」
蘭が言うと、亜梨沙は、
「彼は私が先に見つけたのよ」
「そういう事じゃなくてさ」
蘭は追い出されます。
亜梨沙は不得意ながらも治癒の術を使い、イケメンの傷を治します。
「知らないからね」
蘭はそう呟き部屋を離れました。
「やっぱりそうなのか?」
左京が廊下で声をかけます。
「間違いない。狼男よ」
蘭が小声で答えます。
「ケンさんですか?」
樹里が尋ねます。
「狼少年じゃないです、お師匠様」
蘭と左京は脱力しました。