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第二百十四話 行き倒れのイケメン編
御徒町樹里はありがたい経典を授かるために西を目指しています。
樹里の姉である璃里と厄介者だったリックが一緒に暮らす事になり、一行はホッと一安心です。
「お師匠様、姉上様は大丈夫なんですか?」
孫左京は樹里と瓜二つの璃里の身を案じています。
「大丈夫ですよ。姉は猫が大好きなんです」
樹里は笑顔全開です。左京は何となく背筋がゾッとしました。
ついホラーな展開を想像してしまったのです。
横で聞いていた亜梨沙も、鍋で煮られているリックを想像し、嘔吐しました。
「汚いわね、もう!」
蘭が怒ります。
やがて一行はある町に辿り着きました。
その町は城壁に囲まれていて、兵達がたくさん行き来しています。
何やら物々しい雰囲気です。
左京と蘭が宿屋を探しに行った後、樹里達のそばで若い男が倒れました。
「大丈夫ですか?」
イケメン大好きの亜梨沙が、すぐさま男のそばに駆け寄ります。
「まあ」
イケメンは結構毛深い男性で、亜梨沙の好みのタイプです。