195/1000
第百九十五話 霊媚阿壇のいる湖編
御徒町樹里はありがたい経典を授かるために西を目指しています。
樹里達は大きな湖「蘭湖」がある国に来ました。
そこでいきなり怪しい黒尽くめの一団に囲まれます。
「レービアタン、レービアタン……」
どこかで聞いた事があるようなノリで迫り来る一団です。
「やる気か?」
孫左京が凄みます。
ところがその一団はクルクルと樹里達の周りを巡ると、そのまま去ってしまいました。
「何なんだ、あいつら?」
左京が訝しそうに呟きます。
「あの人達は、あなた達のために呪文を唱えてくれたのです」
可愛らしい女の子がいつの間にかそばにいて言いました。
早速幼女趣味のリックが動きます。
「お嬢ちゃん、名前は?」
「私は美子と言います」
美子はリックを見ないで樹里に答えます。
「この湖にいる霊媚阿壇は恐ろしい魔物です。決して湖には近づかないで下さい」
美子が言った時、すでに亜梨沙と蘭が水浴びをしています。
その様子を見て馬の馨が鼻血を出しました。