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第百八十八話 太上老君の教え編
御徒町樹里はありがたい経典を授かるために西を目指しています。
孫左京は樹里の涙を見て、獨角兕大王との決戦に挑む決意をしました。
彼は忌ま忌ましく思いながらも、太上老君の所に出向きます。
「よう来たな、猿。あのバカ者が現れたか」
太上老君は余裕の笑みです。左京はムッとして、
「てめえのバカ弟子のせいで酷い目に遭った。何とかしてくれ」
「彼奴は我が弟子にあらず」
老君は恍けます。左京はイライラして、
「禅問答してるんじゃねえんだよ! どうすればいいのか、それを教えろ。あいつはへんな輪っかを持っていやがるんだ」
「それは金剛琢じゃな。あらゆる武器を吸い込んでしまう」
「そんな事は龍王のジイさんに聞いたよ! 対策を教えてくれ」
左京が詰め寄ります。老君はニヤリとして、
「その引き換えに頼みがある」
老君の提案に左京はゾッとしましたが、背に腹は代えられません。
「わかった。頼んでみる」
と答えました。