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第百八十七話 孫左京、命懸けの戦いを決意する編
御徒町樹里はありがたい経典を授かるために西を目指しています。
西の龍王の宮を出て、孫左京と樹里は亜梨沙達がいなくなった場所に戻りました。
「お猿さん」
樹里が真顔で言います。左京は思わず緊張します。
「ありがとう。本当にありがとう。貴方がいなれば、私は……」
樹里が涙を流します。左京はどうしたらいいかわからなくなってしまいました。
あまりに感動したので、鼻血を出すとかのエロ展開はありませんでした。
(これで俺の中の恐怖心は消えた。死んでもお師匠様を守る。そして、何としてもあの妖怪を倒す)
獨角兕大王に怖じ気づいていた自分に気がついた左京は、樹里の言葉に奮い立ったのです。
(そして生きて返れたら、お師匠様と……)
結局最後は鼻血を噴き出す左京です。
しかし、どうすれば勝てるのか思いつけません。
「畜生、結局あのジジイに頼るしかないのか」
左京は樹里を牛魔王の邸に匿ってもらい、天界へ向かいました。