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第百八十一話 獨角兕大王の野望編
御徒町樹里はありがたい経典を授かるために西を目指しています。
牛魔王は孫左京の旧友です。
彼はこれから先にいる魔物で、獨角兕大王というとても強い妖怪がいる事を教えました。
「危なくなったらこれを吹け。そうすれば助けに来る」
牛魔王が左京に笛を渡します。左京は呆れています。
「江木俊夫さんは元気ですか?」
樹里が笑顔全開で言います。
「マグマ大使じゃないです」
牛魔王は項垂れて言いました。
金兜山金兜洞。
獨角兕大王の住処です。
大王は大きな椅子に座り、頭に一本生えた角を撫でています。
「旅の僧はどこまで来ている?」
「もうすぐこの洞窟の近くに来ます」
手下が答えました。大王はニヤリとし、
「坊主を人質にしてあのジジイに復讐してやる」
どうやらこの妖怪も逆恨みと思い込みでできているようです。
「ジジイを仕留めれば天界はこの俺様のものだ」
大王はその醜い顔同様、心も醜いのでした。




