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第百八十話 強敵の予感編

 御徒町樹里はありがたい経典を授かるために西を目指しています。


 牛魔王はみのぽんたを自分の邸に連れ帰ると、戻って来ました。


「何だ、お前? まさか弟子になるつもりか?」


 孫左京が訝しそうな目で言うと、


「違う。この先、とんでもない魔物がいると聞き、伝えに来た」


「魔物?」


 リックが漏らしそうです。馨も震えます。


「そうなんですか」


 樹里は笑顔全開です。


「以前、太上老君の所にいた奴らしいのだ。途轍もなく強くて、凶暴らしいぞ」


 牛魔王が真顔で言ったので左京は、


「何て奴だ?」


獨角兕大王どっかくじだいおうだ」


 牛魔王が答えると、


「どこが痔だようですか?」


 樹里が尋ねます。一同が項垂れます。


「違います。獨角兕大王です」


「そうなんですか」


 左京は牛魔王を見て、


「どんな奴なんだ?」


「それはわからん。見た者は全員死んでいる」


「だったらどうしてそいつの事を知ってるんだ?」


「う……」


 このヤロウ、話を盛ってるな、と左京は呆れました。

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