172/1000
第百七十二話 芭蕉扇対芭蕉扇?編
御徒町樹里はありがたい経典を授かるために西を目指しています。
鉄扇公主の息子の紅孩児が攻撃して来ました。
「お師匠様、お願いします」
孫左京は樹里に言いました。
「そうなんですか」
樹里は馨から降りて背中の偽芭蕉扇を持ちます。
「それは只の扇。何をするつもりだ?」
紅孩児は鼻で笑いました。
「えい!」
樹里が扇を振るうと紅孩児は遥か彼方の木まで飛ばされました。
「な、何?」
彼は理解不能のようです。
「ふざけやがって!」
紅孩児は木から抜け出すと樹里に突進し、
「お返しだ!」
と芭蕉扇を振るいますが、
「ひええ!」
と馬の馨が飛んだだけで樹里は笑顔全開です。
紅孩児は頭が混乱しました。
「このやろ!」
彼はすり替えられたと思い、樹里の扇と取り替えます。
バカな子のようです。
「おら!」
当然扇いでも何も起こりません。
樹里も扇ぎます。
「えい!」
今度は本物の芭蕉扇なので強力です。
「うへえ!」
紅孩児は森の外まで飛ばされました。