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第百六十二話 切れた六耳獼猴編
御徒町樹里はありがたい経典を授かるために西を目指しています。
脱獄囚顔のくせに活躍する河東真君は、六耳獼猴を追いつめていました。
「うがおお!」
大蛇の姿の六耳獼猴は身体を高速回転して太路治路コンビを振り払います。
「貴様ァッ、許さぬ!」
六耳獼猴は元の姿に戻り、身体から炎を噴き出しました。
「七百八あるこの俺の術の中の一つで貴様を殺す!」
炎を身に纏った六耳獼猴が河東真君に突進します。
「太路、治路!」
河東真君は犬を呼び寄せ、それを迎え撃とうとします。
「温いわ!」
六耳獼猴はそれを撥ね除け真君を地面に叩き付けます。
「死にくされ!」
六耳獼猴の顔はもはや悪人ではなく鬼です。
「ぐうう……」
さすがの真君もこのままでは死んでしまいます。
多分誰も泣く者はいないでしょうが。
「うるさい!」
地の文に突っ込む人でした。
「真打ち登場!」
その言葉と共に孫左京が現れました。