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第百五十九話 孫左京、如意棒を西の龍王に返す編
御徒町樹里はありがたい経典を授かるために西を目指しています。
孫左京は六耳獼猴が落として行った如意棒を確かめます。
「同じ物だ。どういう事だ?」
「それは多分東の龍王様の宮の柱ですよ。だからそっくりなんです」
馨が言いました。
「そうなんですか」
樹里は笑顔全開です。
「如意棒をお前の親父に返しに行こう」
左京が言います。
「どうしてですか?」
「これで貸し借りなしにして改めて借りたい物がある」
左京は何か企んでいるようです。
左京は樹里をきんと雲に乗せて西の龍王の宮に行きました。
河東真君は放置のようです。
「いい度胸だ。この儂の宮に来るとはな」
西の龍王が言いました。左京は、
「柱を返しに来たんだよ。長い事借りてて悪かったな」
「そうか。東の王の柱を手に入れたか?」
龍王が気づきます。
「それがどうした?」
「いや別に」
龍王も自分の宮の柱が戻ればそれでいいようです。
「代わりに欲しい物がある」
左京は言いました。