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第百五十八話 太上老君対六耳獼猴編
御徒町樹里はありがたい経典を授かるために西を目指しています。
樹里に敗れた孫右京こと六耳獼猴は、天界の太上老君の邸に行きました。
「ジジイ! 覚悟しろ!」
六耳獼猴は正体を現しました。孫左京とは似ても似つかない凶悪な顔です。
でも怖さなら河東真君の方が上です。
六耳獼猴が乗り込むと、老君は庭で椅子に座って眠っています。
「死ね!」
六耳獼猴が老君に襲いかかりました。
「ほい」
しかし老君は寝たフリをしていたのです。
あっさりと攻撃をかわします。
「おのれ!」
六耳獼猴は更に老君に向かいますが、
「ほい」
と老君が杖を出したのでギョッとして飛び退きました。
「単純な奴じゃな。お主を封じる杖なぞ楊枝のように沢山あるぞ」
老君がドサッと杖を出したので、
「ひ!」
六耳獼猴慌てて逃げ去りました。
「何じゃ、つまらん」
老君は真顔になって、
「奴が術を使えるという事は、彼奴が動いたか」
と呟きました。