151/1000
第百五十一話 河東真君、下界に降りる編
御徒町樹里はありがたい経典を授かるために西を目指しています。
河東真君は西の龍王と共に孫左京のいる所に現れました。
彼は天帝の妃の弟の奥さんの従弟です。そして左京とは因縁の仲です。
「てめえ、何しに来た!?」
左京は河東真君を見るなり激怒します。
「鎮まれ、猿! 河東真君は天帝の勅命で下界に来られたのだ。無礼であるぞ」
西の龍王に一喝され、左京は黙ります。
「貴様が歯が立たなかった六耳獼猴とやらを、倒しに来たのだ。感謝するがいい」
河東真君は尊大な態度で左京に言います。左京は歯軋りしました。
「頼みましたぞ、真君。儂は太上老君に会いに参ります」
西の龍王は天界へと飛翔しました。
「どこにいる、六耳獼猴? 我が名は河東真君。貴様を退治に来た」
河東真君が怒鳴ると、
「はいィ? 貴方如きが、神にも等しい力を持つこの私を退治する? 笑わせてくれますね」
と言いながら、孫右京が雲に乗って現れました。