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第百五十話 天界騒然編
御徒町樹里はありがたい経典を授かるために西を目指しています。
馨の父西の龍王は天界へと向かいました。
「お猿さんは大丈夫でしょうか?」
樹里が心配そうに言います。
「大丈夫ですよ。左京は殺しても死なないですから」
亜梨沙が答えます。
「そうなんですか」
樹里は笑顔で応じました。
(お師匠様も左京の事が好きなのかな?)
妙な事を心配している亜梨沙です。
天界は西の龍王の報告を聞き、騒然としました。
「あの猿が甦ったと言うのか? 孫左京以上の脅威だ」
天帝は顔を引きつらせます。
「私が参ります、陛下」
脱獄囚のような顔の男が言いました。
彼の名は河東真君。決して犯罪者ではありません。
「おお、そうか。あの孫左京をあっさり倒したお前なら大丈夫だろう。頼むぞ」
「はは」
河東真君は西の龍王と共に下界に向かいました。
意識を回復した左京は樹里達が西の龍王の下に避難した事を知りました。
「右京め」
左京はリベンジを誓いました。