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第百四十七話 孫左京対孫右京編
御徒町樹里はありがたい経典を授かるために西を目指しています。
孫右京の急襲により、亜梨沙、蘭、馨、そしてついでにリックもやられてしまいました。
「お坊様、貴女にはここで死んで頂きますよ。他の下等な妖怪共は貴女を食べて不老不死になりたがるようですが、私はすでに不老不死ですからね」
あくまで冷静に話す右京はあのカッとなり易い左京と本当に双子なのでしょうか?
「私が経典を授かると何かまずい事があるのですか?」
まともモードの樹里が起動しました。右京はフッと笑い、
「ええ。あんなものを広められたら我々妖怪は迷惑なのです」
「そうなんですか」
そこへ左京が戻って来ました。
「やっぱりてめえか、スカシヤロウ!」
左京は如意棒を振るいます。
「無駄無駄!」
右京はそれをことごとく如意棒で受けて弾き返します。
「バカな? 如意棒はこの世に一つのはず……」
左京は唖然としました。
「今度は私の番ですね」
右京が踏み込み、左京に仕掛けました。