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第百四十六話 孫右京の急襲編
御徒町樹里はありがたい経典を授かるために西を目指しています。
樹里達の前に孫左京に瓜二つの孫右京が現れました。
「左京ったら、何気取ってるの? 似合わないわよ」
亜梨沙が鼻で笑います。すると右京は笑顔のままで、
「豚はお黙りなさい」
といきなり如意棒を出して亜梨沙を叩き伏せました。
「ぎゃ!」
亜梨沙は豚の姿になって気絶です。
「あんた誰?」
蘭が樹里を庇いながら右京に尋ねます。
「私は孫右京。左京は私の愚弟です」
「え?」
蘭と馨は顔を見合わせます。
「蘭さんはお元気ですか?」
樹里が尋ねます。右京は笑顔で、
「私はその右京ではありませんよ、お坊様」
と冷静に返します。
「お師匠様のボケが不発に終わったにゃん」
リックが知った風な口を利きます。
「さて、皆さんの楽しい旅はここでおしまいです。お疲れ様でした」
右京はそう言うと、瞬く間に蘭と馨を打ち据え、リックを蹴り飛ばします。
「にゃーん!」
リックは遥か彼方に飛んで星になりました。