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第百四十話 二人の樹里?編
御徒町樹里はありがたい経典を授かるために西を目指しています。
九尾の狐は樹里に化けて並び、左京達を混乱させます。
「左京、良かったね、お師匠様が二人に増えたよ」
亜梨沙が暢気な事を言います。呆れる蘭です。
「ふざけるな! お師匠様に化けるなんてとんでもねえぞ」
左京は喜ぶどころか激怒しています。
「亜梨沙、臭いでわからない?」
蘭が囁きますが、
「二人が近過ぎてどっちの臭いかわからないわ」
「役立たず」
「何ですって!」
醜い内輪揉めです。
「お師匠様でなければわからない事を訊いてみましょう」
馨が言います。左京が、
「お師匠様の母上様の名前は?」
「由里です」
「玉藻です」
違う答えが返って来ました。見破るチャンスです。
「しまった、お師匠様の母上様の名前を知らなかった」
一同が昭和並みのオチにこけます。
「お師匠様、俺を見て下さい」
左京が言います。二人の樹里が左京を見ました。
(クラクラする)
左京は密かにW樹里を堪能しています。