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第十四話 樹里危機一髪編
御徒町樹里はありがたい経典を授かるために西を目指して旅しています。
川岸で泣く母娘を見かけ、川に棲む妖怪を弟子の孫左京が退治する事になりました。
左京は娘が美人なので下心ありです。
「妖怪はあの中州にいます」
母親が言いました。
「地元福岡ですね」
樹里が左京に言います。
「その中洲じゃねえしその孫さんじゃねえ!」
左京は戦う前から疲れました。
「行くぞ、妖怪」
左京は中州まで飛びました。
「ヒヒヒ」
母娘が不気味に笑います。
「ご馳走をどうぞ」
「はい」
亜梨沙は母親が出した料理に食いつきます。
「うわわ!」
中州はドロドロで、左京は足を取られました。
母娘が妖怪でした。
「お坊様、お待ちしておりました」
母親が樹里に言います。
「そうなんですか」
樹里は笑顔全開です。
「徳の高い僧を食らうと寿命が千年延びるのだ」
母親と娘の口が耳まで裂けます。
「お師匠様!」
左京が気づきますが、動けません。亜梨沙は料理に夢中です。
樹里、危機一髪です。