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第百三十三話 孫左京、罠に嵌る編
御徒町樹里はありがたい経典を授かるために西を目指しています。
樹里に叱られた孫左京は猫のリックを探して街を歩き回ります。
「仕方ないわね」
文句を言いながら亜梨沙と蘭がついて来ます。
「どうしてあんたが来るのよ、蘭?」
「いいじゃない、別に」
亜梨沙は蘭が左京に気があるのを見抜いているので心配なのです。
哀れなのは蘭に片思いの馬の馨です。
「エロ猫の臭いがしないか?」
左京が尋ねます。亜梨沙は鼻をヒクヒクして、
「こっちよ」
と走り出します。左京と蘭がそれを追いかけます。
三人は町外れの草原に出ました。
「あれか」
草原にある木にリックが吊るされています。
「捕まっていたのか」
すると狐の軍団が現れました。
「邪魔だ!」
左京達は狐達を一掃しリックに近づきました。
「うわ!」
リックに辿り着く直前に三人は落とし穴に落ちました。
「引っかかったにゃん」
鉄格子が降り、穴が塞がれます。
鉄格子の上からリックと九尾の狐が見下ろしていました。