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第百二十七話 渚の正体編
御徒町樹里はありがたい経典を授かるために西を目指しています。
樹里は幼馴染の渚と思わぬ再会をしました。
そして渚の邸でご馳走を振舞われます。
不審に思った孫左京は食事をせず、様子を窺いました。
すると全員が寝たと思った渚がニヤリとします。
「ちょろいな、こいつら」
すると樹里がムクリと起き上がります。
ギョッとする渚です。
「渚さんは小さい頃流行病で亡くなっています。貴女は何者ですか?」
「坊主、わかっていたのか?」
渚に化けた何者かは悔しそうに樹里を睨みます。
「やっぱりそうか!」
左京も如意棒を出して起き上がります。
すると渚は正体を現しました。
狐です。それも尾が九本あります。
「私は九尾の狐。金ちゃん銀ちゃんの母親代わりだったのさ」
「キュウリのきゅうちゃんですか?」
樹里が言います。
「誰が漬物だ!」
狐は切れました。
「金ちゃん銀ちゃんをよくも更生させてくれたね。お礼をさせてもらうよ」
狐は牙を剥きました。