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第百二十四話 また西へ編
御徒町樹里はありがたい経典を授かるために西を目指しています。
樹里の力で姑獲鳥は成仏しました。
「ありがとうございました」
妊婦と夫が樹里に礼を言います。
「お母さんの事、しっかり弔ってあげて下さいね」
「はい」
妊婦と夫は涙ぐんで頷きました。
後ろで見ていた孫左京も思わずもらい泣きです。
樹里達は村長以下多くの村人に感謝されもてなされました。
「もう食べられないにゃん」
気絶していただけのリックが一番食べました。
「図々しい猫ね」
お腹パンパンの亜梨沙が言うのを白い目で見る蘭です。
その蘭を外からジッと見つめる馨は人参しか食べていません。
「僕は龍なんだけど……」
涙ぐむ馨です。
「さすがお師匠様です」
左京が鼻血を堪えながら言います。
「そうなんですか」
樹里は笑顔全開です。
(惚れ直した……)
その笑顔に失神寸前の左京です。
翌朝です。
樹里達は村を発ちました。
「もう許してにゃん」
まだ如意棒に吊るされているリックです。