116/1000
第百十六話 逃亡者リック編
御徒町樹里はありがたい経典を授かるために西を目指しています。
猫のリックは羊妖怪と孫左京に睨まれ、風前の灯状態です。
(どっちに着くのが正解かにゃ?)
小さい脳みそをフル回転させてリックは考えます。
そしてハタと閃きます。
「兄貴の言う通りにしたけど、兄貴が言う程羊はバカじゃなかったにゃん」
リックは全部左京のせいにしてこの場から逃げるつもりです。
「貴様か、この私を騙したのは!」
羊妖怪が左京を睨みます。
「あのな!」
左京が探すと、リックはすでに逃げた後です。
「てめえをぶっ飛ばしてから考えるよ、あのエロ猫の事はな!」
左京は如意棒を振りかざします。
「そんなものでこの私が倒せるか!」
羊妖怪は巨大化します。その背丈は某東京タワー並みです。
左京も驚いてしまいました。
リックは森を抜け牧草地に戻って来ました。
「ここまで来れば大丈夫にゃん」
「何が大丈夫だって?」
鬼の形相の亜梨沙と蘭がいました。
リックは少しチビりました。