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第百六話 虎大王の秘策編
御徒町樹里はありがたい経典を授かるために西を目指しています。
孫左京は虎大王の罠に嵌りました。
「どういう事だ?」
左京は重くて持ち上げられない如意棒を見て呟きます。
「愚かな猿よ。この部屋は猿封じの間なのだ。お前は今は只の猿。その豚にも勝てぬ」
「何!?」
左京はとうとう如意棒を落としてしまいます。
「左京!」
亜梨沙が駆け寄ります。そして、
「えい!」
と左京を殴ると左京は吹っ飛びました。
「何しやがる!?」
左京は激怒しました。でも亜梨沙は、
「あら、ホントだ」
と嬉しそうです。虎大王はニヤリとして、
「お前の首を欲しがっている方がいらっしゃるのだ」
「首を渡したら死んじまうだろう!」
左京が怒鳴ります。大王は、
「だから死ね!」
と鎌を振り上げて突進します。
「わ!」
左京は慌ててそれをかわします。
「お猿さん」
樹里が駆け出し、何かに躓きました。
「あ」
樹里の唇が左京のほっぺを直撃します。
「ふおお!」
左京は雄叫びを上げました。