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第百四話 孫左京、虎大王と対面する編
御徒町樹里はありがたい経典を授かるために西を目指しています。
虎大王には孫左京を倒すための秘策があるようです。
「ところでLEDさん」
「誰が発光ダイオードだ!」
樹里のボケに大王はイラつきます。
(早く来い、孫左京。儂の身が持たぬ)
手下に邪魔をさせておいて身勝手な大王です。
その頃左京と亜梨沙は城の門の前にいました。
「ぶち破るぞ、亜梨沙」
「はいな」
二人が体当たりをしようとした時、いきなり門が開きました。
「な、何だ?」
左京と亜梨沙は拍子抜けです。
「大王様がお待ちです。どうぞ」
虎の妖怪が皆揃ってお辞儀をします。
急に丁重な扱いになったので左京と亜梨沙は顔を見合わせて訝しがります。
「怪しい」
二人は警戒しながら城に入りました。
左京と亜梨沙は樹里が鎖に繋がれている部屋に通されました。
「ごゆっくりどうぞ」
手下の妙な言葉に左京はギクッとします。
「猿、待ちかねたぞ」
虎大王が言いました。
自分のせいなのに惚けた大王です。




