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第百話 孫左京、虎大王を追う編
御徒町樹里はありがたい経典を授かるために西を目指しています。
虎大王と言う妖怪が亜梨沙と蘭と馨を倒し、樹里を攫いました。
戻った孫左京は唖然とします。
「大丈夫か、蘭?」
蘭は酷い火傷です。亜梨沙と馨は気絶しておりリックはペシャンコです。
「お師匠様が……」
蘭が呻きながら言います。左京は術で蘭を治癒しながら、
「喋るな。わかってる」
左京は虎大王が故意に残して行ったと思われる妖気の痕跡を感じていました。
「誘ってやがるのか。いい度胸だぜ」
左京は吹雪の向こうに見える山を睨みます。
虎大王は山の頂上にある自分の城に戻り樹里を鎖で繋ぎました。
「坊主の手下の一人がこちらに向かっています」
大王の部下が報告します。
「そう言えば、天界を荒らしたと言う猿がいなかったな。そいつか」
大王はニヤリとします。
「どれほど強い奴か知らんがこの儂の敵でない事は確かだ」
すると樹里が、
「虎の威を借る狐ですね」
「俺は虎だ!」
大王は切れました。




