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妻15
瞬く間に時は過ぎ、私は高校を卒業した。
その間に私は坂本さんの実家に連れて行ってもらい、ご家族へ挨拶をした。
坂本さんの家族は、私をとても歓迎してくれた。
ああいう暖かい家庭で育ったから、坂本さんは優しいのだろう。
それから写真館で、ウェディングドレスを着て写真も撮った。
式はやらないと決めていたが、「写真だけでも撮ろう」と坂本さんが言ってくれたからだ。
祖母に写真を見せると、とても喜んでくれた。
卒業式の翌日には婚姻届けを出し、私は『坂本由香里』になった。
祖母は起き上がる事さえ困難になっていた。
そして・・・少しして、祖母は亡くなった。
分かっていた事とはいえいざとなるとショックは大きく、呆然とする私に代わり、坂本さんが色々と手続きをしてくれた。
小さなお葬式をして、祖母は母と同じ場所に入った。
「お婆ちゃん・・・」
ありがとう。
墓の前で泣きじゃくる私を、坂本さんはそっと抱きしめてくれた。