夫11
日曜日―――――。
昼前に、由香里は病院に行く。
出口近くの椅子に座って待っていると、二時間後にグッタリとして戻ってきた。
・・・お婆さんの具合が、悪いのだろうか?
距離を開けて追い掛けると、由香里は近くの公園のベンチに座った。
気分が悪いのか・・・?
俺は思わず、由香里に駆け寄った。
「気分が・・・悪いのか?」
上を向いた由香里は、青白い顔をしていた。
「ちょっと、待っていて」
俺は、すぐ側にあった自販機でジュースを数本買って、由香里に渡した。
「ありがとうございます」
由香里は小さな声で礼を言い、キャップを開けようとするが、力が入らないようだ。
開けてやると、由香里は俺にもう一度礼を言い、ジュースを飲んだ。
「美味しい」
口元が少しだけ上がる。
その表情が、由里子と似ていてドキリとした。
俺は気持ちを落ち着かせて由香里に言った。
「良かった。気分が悪いなら、送って行くよ。家は何処?」
「あ・・・、その、大丈夫です」
見知らぬ男に付いて行く程馬鹿ではない・・・か。
「そう、じゃあ」
仕方ない。
一度去って行く振りをしよう。
すると、由香里は慌てて俺に声を掛けた。
「これ、ジュース・・・!」
「あげるよ」
離れた場所から様子を見ていると、由香里はジュースを鞄に入れて立ち上がった。
駅まで歩き、電車に乗る。
俺も距離を開けて付いて行く。
由香里が家に入ったのを確認して、俺も家に帰る為に、車が置いてある駐車場に向かった。