夫10
可愛い由香里―――――。
五年生の夏休み。
アイスクリームを食べながら、友達と公園で遊ぶ由香里。
暑いのに、元気だ。
しっかり帽子をかぶらないと、熱中症になるぞ。
六年生の秋。
由香里は運動会で、リレーの選手に選ばれた。
スラリとした手足を懸命に動かし、一人追い抜かして一位になった。
友達とハイタッチしながら、眩しい程の笑顔を見せてくれた。
中学校の合唱コンクール。
美しい高音を響かせ、ソロパートを歌う由香里。
緊張しているのか、頬が少し赤い。
それがまた、可愛い。
中学卒業。
友達の涙をハンカチで拭いてあげる、優しい由香里。
記念写真を撮ろうと、何人もの生徒が由香里に群がる。
その中に男子もまざっていたので、少々嫉妬してしまった。
高校受験。
自宅から歩いていける距離の高校に合格する。
不安そうに自分の番号を探す姿に、俺もドキドキとした。
合格おめでとう。
綺麗な由香里―――――。
高校生になってから、急に由香里は大人びてきた。
益々由里子に似て、まるで双子のようだ。
周りの男共の視線を集めてしまう、由香里が心配だ。
告白されているのを目撃してしまった。
断ったようで、ホッとする。
しかし、またいつ同じ事が起こるか分からない。
変な男に引っ掛かったらどうしよう。
不安になる。
由里子の母親であり、由香里の祖母が入院した。
かなり悪いのだろうか?
病院から出た由香里は、肩を落としている。
一人暮らしになるが、大丈夫だろうか?
もっと頻繁に様子を見なければならない。
学校、家、病院の往復。
由香里はかなり疲れているようだ。
友人と遊ぶ事も、すっかり無くなってしまった。
力になってやりたい。
何か近付くきっかけがあれば良いのだが・・・。