草ヒロのジムニーノマド発見その2
しばらく林道を探しまわした。更に奥へ奥へと幸広と和広は進む。
「和広、本当にこの林道にあるのか?」
「兄貴、間違いない。」
すると、再び二人の目の前に草木に覆われた古びた車が姿を現した。
「兄貴、あそこに車!」
「あー、ホントだ〜。和広でかした」
二人は、再び草木をかき分けてついに、伝説のジムニーノマドを見つけた。
「兄貴、マジであったんだ」
「和広、見ろよ。これレストアできそうじゃね?」
「そうだな兄貴」
長年放置されていたにもかかわらず、その独特のデザインと頑丈そうなフレームは、時間の流れを超えて彼らの心に強く訴えかけた。
「これが…あのオヤジが言ってたジムニーノマドか」
と和広が感慨深げに呟く。
車体は錆び付いており、タイヤは地面に半ば埋もれていたが、それでもなお、力強い存在感を放っていた。
「すごいな、この状態でもまだこんなに魅力的に見えるなんて」
と幸広は感心した様子で言った。
「オヤジが言っていた事って本当だったんだ」
和広も頷き、兄弟はその場でレストアを決意した。父親の冒険心を受け継ぎ、新たな思い出をこの車と共に作ることを誓い合った。これから始まる修復の旅に、二人の胸は期待でいっぱいだった。