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情報収集と父親のアルバム
父親が残した古いアルバムを引っ張り出して和広は、
「オヤジが撮ったジムニーノマドの写真がある筈だ」
幸広が苦笑いを浮かべ、
「テリオスキッドとかテリオスルキアだったりして…。さっきの掲示板に『ジムニーノマドに間違いやすい車だから要注意』って書いてあったし。ほれ和広見てみろよ。似ているだろ?」
「ホントだ〜、この車も5ドアだしなんか流れ的に似ている」
和広は、目を見開いて画像を見ていた。
彼らの父親がかつてジムニーノマドの写真とさっきの間違いやすい車の画像を見比べていた。
そしてこの兄弟の父親が撮った写真について、
「この写真、どこで撮ったのか覚えてる?」
和広がアルバムをめくりながら幸広に尋ねた。
「確か、オヤジが話してたのは、昔行ったことのある神秘的な林道だって言ってたな」
幸広はアルバムの中の一枚の写真を指差した。そこには、青々とした木々に囲まれた未舗装の道を背景に、父親が誇らしげに立っている姿が写っていた。