表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
空想怪奇ラフ  作者: 蟹谷梅次
空想怪奇ラフ 超絶怒涛怪異盂蘭盆会
94/100

第94話 滝の心意気

 6人の少年を殺害し、その遺体を唐揚げにして自社の弁当に混入させた異常者の弁当屋があった土地へ行ってみると、そこには田舎臭いセーラー服を身に纏った少女が立っていた。少女の頭は異様な形状をしていて、そして通行人は誰もそれを気にしていない様子だった。どうやら、一般人には見れないタイプの怪異であるらしい。


「日比野隼人が憎くありませんか」

「なんだ貴様」


 少女は「あなたはあわれです。かあいさうです」とニタニタ笑いながら、言った。


「あなたはあなたのやりたいことをするべきです。力を授けるから、なりたい姿になるべきです」


 少女から基準値超えのラハナー値を感知。これは悪性の怪異だ、と経験値が言う。


「あなたは日比野隼人が憎くあります。私は日比野隼人を殺す術を持っています。与えることができます」

「勝手に決めんにっ! あのガキゃ確かにクソだが仲間に囲まれてるんだっ! ならそれなりに思いやる気持ちのある人間だということだ! それを殺すだとっ! 滝の血をナメるなっ! 俺はナメられる事と違反者が大嫌いだっ!」


 俺は怒り心頭に発していた。


「違反者、といいますと」


 少女は首を傾げる。


「正義法だっ。お前みたいな悪魔は、そうやって罪のないものに嘯くのだろう! そうしてきたのだろう! それを違反と言うのだ! 正義に反する心を! 滝が! 受け入れるわけないだろ!」


 少女は怒りでもにじませているように、震えた。


「あなたは何様なのですか」

「俺かっ。俺は……仲間を愛し愛されるその心っ! 正義という心の味方……! 正義の味方だ! そして、お前たちの様なクソッタレた悪魔の破壊屋だっ!」


 びきり、と霊力を身に纏う。


「日比野隼人に手を出してみろ、俺が貴様をぶっ殺す!」

「そうですか。あなたも滝と言う訳か」


 少女は嗤う。


「ならもう殺すしかないですね」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ