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空想怪奇ラフ  作者: 蟹谷梅次
空想怪奇ラフ 超絶怒涛怪異盂蘭盆会
90/100

第90話 l Mighty

 用はもうないので、その家から退散。


「どこから仕組んでたん?」

「なにが?」

「どこから仕組んでたん?」

「言わなきゃダメか?」

「おん」

「そんなに前から仕込んでた訳じゃないよ。弾くんが『ふたりで出かけたらなんかありそうだったから』って言った時より少し前からね。そこからなんとなく俺の思い通りに動いてもらうように少し操らせてもらった」

「そういう特殊能力持ってんの?」

「特殊能力に頼らなきゃいけないほど低知能ならいま此処に立ってない」


 一郎くんは「ううん」と唸る。


「次やる時は事前に言えよ」

「何故」

「いますんごいお前に対してキレそうだ。人を支配するな、お前みたいなのは特に」

「何故」

「何故、かぁ。……まぁ良いんだけどさ。お前、人の心とかわかんねぇの?」

「わかる。感情っていうのはいわゆる脳が作り出したものだ。一挙手一投足をよく見て観察すると自ずとそういう物はわかるようになる」


 ケツを蹴られる。


「痛いじゃないか」

「それと同じくらい俺キレてる」

「ほう。何故?」


 また蹴られる。


「そんで、その木箱は?」

「異理箱になりかけてる。異理箱ではない。なりかけ。でも一応回収するべきだった。やはりというべきか……」


 中身は詰まっていないから、怪異として機能はしていなかった。俺は木箱を握り潰した。


「君たちの気分を害したのなら謝ろう。どうもごめんなさい。しかし……これが俺なんだ。腹が立つだろうが……。生まれついての気性は変えられないんだ」

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