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空想怪奇ラフ  作者: 蟹谷梅次
空想怪奇ラフ 超絶怒涛怪異盂蘭盆会
88/100

第88話 黒い家

 俺と一郎くんは週末、東京に出かけることとなった。その際に、「ふたりで出かけたらなんかありそうだったから」という事で、弾くん・拓也くん(陽太くん)・悠の3人(4人)もついてくることとなった。


「田舎モンだから東京なんて初めてだぜ」

「24区以外は岩手と変わらんらしいぞ」

「規模デカめの盛岡って感じかな」


 田舎モンみたいな事を話しながら、東京へ行く。到着して、俺たちは真っ先に萩月がいるという、新宿みたいな名前をしているくせにどうやら新宿ではないらしいという変な街、世田谷区(せたがやく)三宿(みしゅく)。しかしどうやら世田谷区から新宿区までは近いらしい。田舎から出たばかりのガキは困惑してしまいますよ。東京って狂ってるんか?


「しかし建物ばかりやないか。頭は空っぽのくせに建物はミチミチとか限界集落かな? 若者ばっかの癖してアホみたいに建物が汚いやないか」

「和製バンクシーみたいな脳足りんがスプレーシャカシャカしとるからな」

「一郎くん、弾くん、田舎者の僻みはやめろ。みっともない。ぶっ飛ばすぞ」

「そういや隼人、こういうの好きだもんな」

「ただの変な落書きなのにどこがいいん?」


 かっこいいだろ、普通に。


「滝さんは高校・大学を卒業したら岩手から出ていってしまうん?」

「いや。岩手のほうがのどかで楽しいから岩手にいるつもりだよ」

「やった!」


 陽太くんはどうやら俺を岩手に閉じ込めることが成功しているため喜んでいるらしい。俺が岩手を出たらどうするつもりなんだろう。


「兄ちゃんに懐かれてんね」

「仕方ないさ」


 一郎くんが自販機で購入した麦茶を回しながら「あそこじゃないか」と言った。


「うん。たしかに」


 そこは小汚い黒い家だった。

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