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第78話 嗚呼、と。
隼人。隼人。隼人。この世界で最も男らしくて……この世界で最も優しい男。隼人。隼人。隼人。会いたいのに、どうしても彼はひとりになりたがるんだ。ひとりはどうしても孤独で、孤独はどうしてもさみしいのに。どうして彼はひとりで戦おうとするのか。きっと、もう誰も巻き込みたくないんだ。それに……もう誰も信用したくないのかもしれない。彼は自分を悪魔だと思い込んでいる。そんな自分を好く訳が無いと、皆を勝手に神聖化している。
助けてあげなければいけない。
もっと生きてもらわなくちゃいけない。
彼に。
独りはもう充分だって。
言ってあげなくちゃ。




